LINEよりもっといいアプリを考えてみませんか

はじめに

日本ではインターネットを使ったパーソナルコミュニケーションの手段としてはLINEが最も普及しています。

LINEの普及にはフィーチャーフォン時代のキャリアメールの利便性がスマートフォンの普及によって損なわれたことと、「ケータイメール」時代に求められた「既読機能」と「より高いリアルタイム性」が実現できたこと、そして絵文字よりも使い勝手の良いスタンプの存在があるでしょう。

コミュニケーション手段はその優劣よりも普及のほうが重要であり、どれほどLINEが嫌いでもLINEなしには生活できない…というのが実情ではないでしょうか。

しかし、LINEの他にも選択肢は存在しています。 現在の問題点やより良い手段を考えることはとても良いことです。 これを期に「LINE以外」について考えてみるのはどうでしょうか。

SMS

特徴

電話回線を活用したショートメッセージ機能です。 特別なアドレスを知らなくても電話番号によってやりとりすることができます。

良い点

悪い点

キャリアメール・MMS

特徴

キャリアメールは、携帯電話会社によって提供されているeメールで、電話回線を使った通知によって仮想リアルタイムで端末に届くためインターネットに常時接続していなくてもメールを受け取ることができます。

メールですがこのように端末に対する通知・自動受信が行われるためインスタントメッセンジャーに近い使い心地になります。

MMSはこれを拡張したものです。 直接的にMMSを使うとインターネット経由ではなく直接的にeメールを配信することができます。 感覚的に大きな違いがあるわけではありませんが、より遅延が少なくリアルタイムに近くなります。

現実には現在、キャリアをまたいだMMSを使うことはできません。 それぞれのキャリアがクローズドなMMS運用をしているほか、DocoMoはMMSとは異なるiモードメールを使用しつづけているためです。 このため、現在のMMSは以前と同様に「携帯電話を使ったeメール」にとどまります。

ただし、この問題は改善が予定されています。

良い点

悪い点

LINE

特徴

非常に普及している一般的な手段です。

メッセージングアプリにとっては「普及」は最大の価値であるため、「最良の選択」であることは間違いありませんが、

良い点

悪い点

Kakao Talk

特徴

LINE同様に韓国企業によって開発されているメッセージングアプリです。

COMMなどいくつか開発された中で生き残っているものではありますが、検閲問題、LINEよりも劣る点、そして出会い系での利用など様々な問題を抱えており、LINEのサブとして使う人がいる一方で、できれば利用を避けたいアプリとなっているものでもあります。

良い点

悪い点

ICQ

特徴

20世紀末には主流のインスタントメッセンジャーの座を獲得したICQですが、ロシアのMail.ruに買収され、ロシア製アプリとして進化を遂げています。

スマートフォン版はLINEに近いアプリケーションであり、以前の面影はない一方、 PC版はその中間のようなものになっています。

IDに関しては現在はメールアドレスの登録になっているものの、古いUINの利用も可能です。

良い点

悪い点

Viber

LINE的なアプリの中では海外では最も普及したのがViberです。

ただし、平文でのやりとりである上に「個人情報を平文で流す」仕様であったことから炎上、海外でもあまり使われなくなっています。

利用は推奨できません。

What’s App

特にアメリカで人気の高いインスタント・メッセージングアプリです。

アカウントは直接的に電話番号を利用しています。 ただし、このことや、その運用方法が重大なプライバシーの侵害になっているとの指摘があります。

良い点

悪い点

Skype

特徴

Skypeはもともとイスラエルの企業が開発していたインターネット通話ソフトウェアでした。 その後チャット機能やビデオ通話機能が搭載され、「通話する方法」としてはスタンダードの地位に立ちました。

また、その頃のSkypeはP2Pを採用した分散ノード型で、盗聴や追跡が困難で、場合によっては政府が反政府活動に利用されないために禁止するほどに安全性の高いアプリでもありました。

現在はSkypeはMicrosoftによって買収され、その後評判を落としています。

もともとはパソコンでの通話を想定したものだったところ、スマートフォン向けに様々な改修を行ったのですが、 その際に従来の分散ノード型ではなく、Microsoftのサーバーでの中央集権となり、またSkypeのアカウントに個人情報を強く紐付けるようになったため、 セキュリティとプライバシーに対する強い懸念が持たれています。

また、2017年に行われたアップデートにより、「スマートフォンアプリが絶句するほどに使いにくくなった」と不評で、Skypeの利用をやめる人が続出するほどに評判を落としています。 パソコンのインスタントメッセンジャーとして有用な機能だったステータスメッセージ機能も削除されるなど度重なる改悪に批判が集まっています。

良い点

悪い点

Google Hangouts

特徴

Googleが展開するインスタントメッセンジャーです。 機能や特徴としてはSkypeに非常に近く、SMS/MMSも扱うことができます。

Google HangoutsはXMPPをベースとしたプロトコルを採用し、XMPPフェデレーションもサポートしたGoogle TalkとSNSであるGoogle+に組み込まれていたビデオディスカッション機能を統合したものです。 使いやすいチャット機能と、WebRTCをベースにした多人数会議もサポートするビデオ通話が可能です。

なお、Google TalkにあったXMPPフェデレーションによるプラットフォームをまたいだやりとり、OTR暗号化、オフレコ機能(トークをアーカイブしない)といったものはGoogle Hangoutsは削除しています。 重要な点として、OTR暗号化が不可能になったためHangoutsによるやりとりをGoogleから隠蔽する手段がなく、魅力的な機能はユーザーのセキュリティとプライバシーを犠牲にしたものになっています

良い点

悪い点

Facebook Messanger

Facebookの機能として存在しているインスタントメッセンジャーです。 以前はXMPPベースでしたが、現在は独自の形式になっています。

良い点

悪い点

Telegram

特徴

LINEやWhatsAppの対抗として作られたインスタントメッセンジャーです。

ロシアのSNS、VKの創設者によってベルリンに拠点を置く独立系非営利企業によって開発、展開されています。 サーバーはTelegram Messanger LLPによって営業されるクローズドソフトウェアであるのに対し、 クライアントは使用しているMTProtoプロトコルは公開されており,非公式のクライアントも認められています。

クライアントがオープンであることはとてもよいことです。 選択できるようになることで使いにくい、あるいは不審なアプリを避け、良いアプリを選択することができます。 別実装が存在することで、仕様上不審な点があれば発見される可能性が高く、安全なアプリ/システムである可能性が高いと考えられます。

また、AES256による暗号化に対応しており、プライバシーセキュリティを重視しています。 通常の暗号化はクライアント/サーバー間の経路暗号化ですが、プライベートチャットはエンドツーエンドの暗号化で、Telegram Messanger LLPでも読むことができないとしています。

良い点

悪い点

Slack

特徴

Slackは個人間のメッセージングというよりも、グループチャット用のサービスです。

ITエンジニアの間では一般的で、チーム作業において使われてきましたが、2017年に日本語に対応したことから一般向けにもテレビCMなどで見かけるようになりました。

チームでの連携に優れているだけでなく、カップルでのスケジューリングや、個人のメモにも適していますが、大部分ではDiscordに取って代わられた印象があります。

利用時は他のもののように「アカウント」に基づいているわけではありません。 それぞれのグループである「チーム」を作成し、チームごとにメールアドレスの登録を行う形式になっています。

良い点

悪い点

Discord

使いにくくなっていくSkypeに対抗する形で台頭してきたコミュニケーションアプリです。

ゲーマーはチーム戦になるようなゲームにおいてチームメイトとチャットや通話で連絡をとることで連携を深めるということをします。 従来、そのような目的には主にSkypeが使われてきたのですが、Skypeが使いにくくなったため、「ゲーマー向け」と称していたDiscordに人気が集まりました。

Discordはゲーマー向けと言ってはいますが、実際には誰にとっても有益なソフトウェアです。

Discordの構造は複雑ですが、

の2種類があります。

グループチャット機能に関してはそもそもベースになっているソフトウェアがSlackと同じものであるため、感覚的にもSlackと同じです。 用語としてはSlackで「チーム」と呼ばれていたものが「サーバー」と名称変更されていますが、Slack同様サーバーに複数のチャンネルを作ることができ、それぞれのユーザーに権限を設定してあるチャンネルに対して「読む」「書く」ことができるかを設定することができます。

また、Slackにはない機能として通話機能が追加されています。 サーバーに「通話チャンネル」を設定することができ、通話チャンネルを開いているユーザーが通話に参加します。 通話終了を選択するとそのユーザーは通話チャンネルから離脱しますが、ひとりでも通話チャンネルに残っている場合は通話セッションは維持され、再び参加することができます。

また、通話に関してはゲームをしながら(つまり音を立てながら)利用する前提があるため、強力な音声検知機能があり、正確に喋った時だけ音声がオンになります。 それでも気になるならプッシュ・トゥ・トークを選択すれば、特定のキーを押している間のみ音声が送信されます。

通話はWebRTCを使用しており、サーバーリージョンは日本がないにもかかわらず非常に安定して高品質です。

アカウントはフレンド機能で、フレンドに対してチャットを送受信することができます。 フレンドに対する通話もあり、この場合は発信するとそのフレンドとの通話チャンネルに加わると共にフレンドに対し呼び出し音を鳴らします。 カメラを利用したビデオ通話や、画面を共有するスクリーンキャスティングも可能です。

オープンではあるもののアプリがいまいちで拡張機能の利用がお互いのアプリによるという状態であったXMPPよりも「現実的に」使いやすい、オープンなコミュニケーションアプリということでhackerたちにも人気です。

良い点

悪い点

XMPP

XMPPは他のインスタント・メッセージング・アプリとは大きく異なります。

XMPP自体はやりとりするための通信方法を規定したものであり、その運用やアプリは全く別になっています。 ユーザーはeメール同様に、XMPPアカウントを作成するサーバーを選び、お気に入りのXMPPアプリをインストールして利用します。 eメール同様、異なるサーバーのXMPPユーザーともやりとりをすることができます。

XMPPはXMLをベースにした仕様になっており、平易で確認しやすいものです。

サーバーとアプリを選択できることはとても良いことです。 サービス品質が悪い、あるいは挙動が不審なサーバーがあれば、そのサーバーの利用をやめて別のサーバーにアカウントを作れば良いのですから。 また、アプリについても同様に機能や使い勝手が悪い、セキュリティ上不安があると感じれば異なるアプリを使うことができます。

さらに柔軟な機能拡張があり、音声通信や暗号化、What’s Appライクな既読通知機能などがあります。

良い点

悪い点

Twitter

Twitterのダイレクトメッセージ機能を個人的なやりとりに使う方法もあります。 「Twitterだけは知っている関係」ということはありえることですので、そのままやりとりに利用できるのは良い点です。

良い点

悪い点

早見表

環境別

メディア Win Mac Linux And iOS Web Other
SMS × × × 携帯電話
MMS × 携帯電話
LINE × × Chrome
Kakao × ×
ICQ ×
Whats App ×
Hangouts
Facebook
Telegram ×
Skype
Slack
Discord
XMPP
Twitter

機能別

チャット

メディア 1:1 グループ スタンプ 画像 動画 ボイス
SMS × × × × ×
MMS ×
LINE
Kakao × ×
Hangouts × ×
Facebook × × × ×
Skype ×
Slack × × × ×
Discord × × ×
XMPP × ×
Twitter ×
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